ご訪問ありがとうございます。
日頃リワークプログラムに伺っていると、年休の取得について質問を受けることがあります。
一つは、「休職期間満了退職の前に残っている年休はとれないの?」というもの。
もう一つは、「体調不良のためしばらく年休を取得したいと申請したところ、会社が認めてくれず、いきなり休職発令がでて年休が取れなかったのですが・・」というもの。
このコラムでは、休職期間満了時の年休消化について、法的観点からまとめました。
よろしければご覧ください。
休職期間満了の前に残っている年休は取得できないのか?
年休とはどういうものかというと、労働基準法で規定されている『労働者』の権利で、有給で休暇を取れるというものです。
どうしてこのような規定があるかというと、労働基準法が、『労働者』の生存権(憲法25条)の実現を目的として作られた法律であることが背景にあります。生存権とは、 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」というもの。
つまり、年休は、『労働者』が健康に働き続けるために取得できる休暇であり、それを権利として保障しましょうというものです。
一方、労働基準法でいう『労働者』の定義をみてみると、「労務の提供をし、賃金を受けるもの」とされています。
では、「休職期間」はどうなるのでしょうか。休職期間は、労務の提供をしておらず、労働者性がないと言われると反論ができません。
つまり、休職中は労働者として労務の提供をしていないため、労働基準法でいう『労働者』とはいえず、
結果、年休の取得を許してもらえなくても、会社が不当であるとまでは言えないと思われます。
心情的には納得しにくい部分はありますが・・・
まとめ
休職に入る前、復職後のことも考えて、年休を残しておくケースが多いかと思います。復職後の不安定な時期に、有給で休める年休を残しておくのは確かに有効だと思います。一方、上記で述べたように、残念ながら休職期間満了退職となってしまった場合は、その年休が取得できないことになってしまう面もあります。
個人個人の判断で決めるしかないのですが、このようなメリットデメリットがあることを踏まえて決定頂ければと思います。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご一読ありがとうございました。
コメントをお書きください