2020年4月より、労働保険・社会保険手続きの電子申請が義務化されます。
「e-gov」という政府のシステムを利用してWEB上で申請書を作成し提出します。
ハローワークや年金事務所などへ赴いたり、郵送したりする必要がなくなり、メリットをある反面、余計に手間が増えてしまうケースもあります。
このコラムでは、電子申請移行に伴い、
余計に大変になってしまうケースをご紹介したいと思います。
電子申請の概要については以下の記事にまとめていますので、そちらもご覧ください。
高年齢雇用継続給付金とは?
高年齢雇用継続給付金は、原則60歳~65歳の間、雇用保険から支給される給付金です。
給付金の目的は、現役時から賃金が低下した分を補填するというもの。
受給対象者は以下のいずれかの場合です。
・雇用保険の被保険者であった期間が5年以上あった被保険者が60歳に達した人
・60歳に達した日以降、被保険者であった期間が5年に達した人
上記のうち、実際に支払われた賃金が60歳以前の75%以下まで低下した場合に支給されます。
支給対象に該当した場合は、4ヵ月以内に以下の書類を提出して支給申請を行います。
初回のみ: 「高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書」、「60歳到達時等賃金証明書」
2回目以降: 「高年齢雇用継続給付支給申請書」
電子申請 一人ずつ入力する必要があり、とても大変です・・
高年齢雇用継続給付金の申請も電子申請の義務化対象の手続きです。そのため、一定規模の会社は2020年4月から電子申請による申請が義務付けられます。
高年齢雇用継続給付の対象者は、定年後の再雇用者が多いかと思いますが、会社の規模によってはその人数は100人を超えることも。
電子申請は、その100人のCSVデータを給与計算ソフトから出力し、ぽちっとボタンを押せば電子申請完了! ・・とはなりません。
なんと、一人ひとり、報酬額などの必要情報を画面に入力していかなければなりません・・
従来の紙申請では、2回目以降の申請は、対象者の雇用保険番号や資格取得年月日がすでに印字された用紙に報酬額を記入していました。
電子申請では、それらの項目も一人一人入力しなければなりません。
(一度入力したものを保存しておけば、次回の入力が省けますが、初回は入力は避けられません)
正直、紙に手書きする方が楽だなぁと感じる方も多いのではないでしょうか。
高年齢雇用継続給付申請 電子申請のメリットを活かすには?
e-govでは、一括申請等に対応するため、「外部連携API」というシステムを提供しています。
この外部連携APIに接続するためには、民間のソフトウェア会社が提供する有料の専用ソフトウエアの導入が必要になります。
これらを使えば、給与計算ソフト上のデータを用いて、簡単に電子申請ができるようになります。
電子政府のHPでも、民間のソフトウエアの導入を勧めています。(下記)
https://www.e-gov.go.jp/help/shinsei/api_software/index.html
民間のソフトウエアは多くの種類があります。
各ソフトウエアの特徴比較は下記が参考になりますので、比較検討に活用ください。
対象者がある程度多くなってくると、毎回一人一人入力するのはとても時間がかかるようになります。
外部連携API対応ソフトウエアを積極的に導入し、工数削減を進めていかれたらいかがでしょうか。
ご一読ありがとうございました。
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